初期設定①日本語を使えるようにする
日本語化は不完全
ラズベリーパイ(Raspbian)の初期設定を行います。Raspbian の日本語化は不完全なため、インストール後に設定しなおさなければならない項目がいくつかあります。
デスクトップ画面をよく見てください。何か変だと気付きませんか? CPUモニターが文字化けしています。適切な「日本語フォント」が入っていないためです。
さらに、日本語入力システムも入っていないので、キーボードの全角/半角を押しても、日本語の文字を入力できません。このままだと、文書作成やウェブ検索の時に困ってしまいます。
ラズベリーパイのローカライズ(多言語への対応)が不完全ということです。ここは文句を言うところではなく、自力で解決しなければなりません。少し難しいですが、1つずつ作業を進めていきましょう。
ローカライズを完成させる
「日本語フォント」と「日本語入力システム」をインストールするため、インターネットにラズベリーパイをつないでください。インターネットから必要なファイルをダウンロードして、ラズベリーパイにインストールするためです。
ラズベリーパイをインターネットに接続します。有線接続するには、LANポートにLANケーブルを差し込みます。(無線接続する手順は、このページの最後、【追記】を見てください)
「日本語フォント」のインストール
右上のアイコンで、インターネット接続できていることを確認します。
左上のターミナルアイコンから「LXTerminal」を起動します。「LXTerminal」は、コマンド(命令)を文字で入力することで、コンピューターに実行させるアプリケーションです。
黒い画面は何だか威圧感があって怖いです。ターミナルで間違った命令を実行してしまうと、データが壊れてしまったり、最悪コンピューターが起動しなくなったりするので、確かに怖い画面なのです。
コンピューターの初期の段階では、すべての命令を文字で書いていました。ふだん使いならお目にかかることのないターミナルですが、プログラミングをするためには慣れておく必要があります。慎重に作業を進めていきましょう。
まずはパッケージ(必要なソフトの集まり)情報を最新にするために、次のコマンドを入力してEnterを押してください。
sudo apt-get update
次に日本語フォントをインストールします。評判の良い「ipafont」「ipaexfont」をインストールすることにしました。次のコマンドを入力しEnterを押してください。インストール途中で許可を求められたらy→Enterで進めます。
sudo apt-get install fonts-ipafont fonts-ipaexfont
最後に日本語入力システムをインストールします。評判の良い「fcitx-mozc」をインストールすることにしました。次のコマンドを入力しEnterを押してください。インストール途中で許可を求められたらy→Enterで進めます。
sudo apt-get install fcitx-mozc
再起動して設定を反映させましょう。次のコマンドを入力しEnterを押してください。
sudo reboot
CPUモニターが正しく表示されました。日本語フォント、日本語入力システムのインストールは成功しました。
入力メソッドの設定
入力メソッドの設定を確認しておきます。右上のキーボードアイコンを右クリックして「設定」を選びます。
「入力メソッド」が「キーボード – 日本語」になっているので、「キーボード – 日本語 – 日本語(ODAG 109A)」に変更します。
左下の「+」より「キーボード – 日本語 – 日本語(ODAG 109A)」を追加します。「ー」で「キーボード – 日本語」を消して、「↑」で「キーボード – 日本語 – 日本語(ODAG 109A)」を一番上にします。
上のスクリーンショットの通りになっていることを確認してください。次に入力メソッドの確認をします。
「全体の設定」より「入力メソッドのオンオフ」が「Ctrl+Space」と「 全角/半角」になっていることが確認できました。このキーを押せば「日本語 ⇄ 英語」の切り替えが行えます。
日本語入力を試してみる
日本語入力できるか、試してみましょう。「メニューボタン」→「アクセサリ」→「Text Editor」を起動します。「Text Editor」はラズベリーパイ内臓のシンプルな文章作成ソフトです。
キーボードの全角/半角(またはCtrlを押しながらSpace)を押して、「英語 ⇆ 日本語」を変換できます。
Tab(またはSpaceあるいは↓)で入力候補を変更してEnterで入力文字を決定します。
これで、日本語表示・日本語入力ともに使えるようになりました。
インストールした日本語フォントの確認
インストールした日本語フォントを確認しておきます。「オプション」→「フォント」から、4つの IPAフォントと2つの IPAEXフォントが入っていることがわかります。
「IPA」は文字幅が固定されたフォントです。「IPA P」は可変幅(プロポーショナル)なフォントです。「IPAex」はこの2つが統合されており、和文の部分は固定幅で英語の部分は可変幅となる便利なフォントです。特に指定がなければ、最新の「IPAex」を使っておけばよいと思います。
「ゴシック」と「明朝」の使い分けですが、見出しなど目立たせたいところは太文字である「ゴシック」を、それ以外の本文は読みやすい「明朝」を使うのが一般的です。
すべて確認が済みましたから、Text Editor を終了させます。右上の「Xボタン」をクリックして、確認ダイアログで「いいえ」を選びます。
これで日本語の表示・入力できるようになりました。次回は、ラズベリーパイを使いやすくするために、初期設定を行っていきます。
【追記】無線接続
有線接続ができない環境のときは、無線接続することができます。ご家庭に無線LAN環境がないときは、スマホのテザリングを試してみてください(iPhone/docomo のテザリングでネットにつながることが確認できました)。アクセスポイントのパスワードをあらかじめ用意して作業を進めてください。
右上のネットワークアイコンを右クリックして「Turn On Wi-Fi」を選びます。しばらく待つと接続可能なアクセスポイントが表示されます。つなぎたいアクセスポイントを選んで、パスワードを入力します。
しばらくすると、ネットワークアイコンが変わり、インターネットにつながったことが確認できます。ウェブブラウザ(Chromium)を開いて、Google検索できることを確認します。
以上で、無線接続の説明を終了します。