仮想オブジェクトを設置する

仮想オブジェクトを設置する

ARKit では現実世界に重ねて「3次元の物体」を、iPhone の画面上に表示させることができます。この物体を「仮想オブジェクト(Virtual Object)」と呼びます。 S2AR で仮想オブジェクトを設置する方法を学んでいきます。

(注意)S2AR は今も活発に開発が進んでいる実験的なアプリです。今後仕様の変更により操作方法が変わることが考えられます。本書ではバージョン2.0.2 での操作を説明していきます。

S2AR の基本操作

S2AR では、「Scratch 基本ブロック」の他に、「S2AR 拡張ブロック」を Extension(拡張機能)として追加できます。実際に「仮想オブジェクト」を空間に設置しながら、「S2AR 拡張ブロック」を一つずつ説明していきます。

接続ブロック

図1-6-1

すべての操作の初めに、「iPhone とパソコンを接続する」ために使います。 S2AR の画面上に表示される「接続用 ID」を入力してクリックしてください(ランダムに数字は変わります)。 S2AR の画面上に「Connected」と表示されれば接続成功です。仮想オブジェクト作成に進んでください。

リセットブロック

図1-6-2

S2AR の画面を「リセット」して、初期状態に戻します。リセットブロックをクリックすると、設置した仮想オブジェクトをすべて消すことができます。(バグでブロックが残ってしまったときは、S2AR の再起動をお願いします)

色指定ブロック

(.)

図1-6-3

設置するブロックの色を指定します。ブロックの色は RGB の数値によって変化させることができます 。赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の三つの原色を混ぜて、16,777,216(256 x 256 x 256)種類の色を表現できます。

図1-6-4

ウィキペディア RGB の項目より

R、G、B は、0 〜 255 の整数で指定します。例えば、
(R, G, B)=(0, 0, 0) は「黒」を表します。
(R, G, B)=(255, 0, 0) は「赤」を表します。
(R, G, B)=(0, 255, 0) は「緑」を表します(正確には「ライム」という)。
(R, G, B)=(0, 0, 255) は「青」を表します。
(R, G, B)=(0, 255, 255) は「シアン(別名 アクア)」を表します。
(R, G, B)=(255, 0, 255) は「マゼンダ(別名 フクシア)」を表します。
(R, G, B)=(255, 255, 0) は「黄色」を表します。
(R, G, B)=(255, 255, 255) は「白」を表します。

それ以外の色を使いたいときは、「rgb 色見本」などで Web検索してください。

コラム RGB 値と16進数

図1-6-5

「原色大辞典」サイトへのリンク

RGB で色を表現する方法を説明します。

例えば「原色大辞典」サイトより使いたい色を選びます。

図1-6-6

orange(オレンジ)の値は「#ffa500」となっています。図1-6-6に示すように、数字を2つずつ切り離して、R, G, B の値は
R = 【ff】
G = 【a5】
B = 【00】
となっています。ここで注意が必要なのは、この数字が【16進数】で表されていることです。

一般に使う「10進数」は「10」を基数としており、「0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9」の10個の文字で整数を表します。
【16進数】は、「16」を基数とした整数の表示方法です(プログラミングでよく使用される)。【0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9】【a(= 10進数の「10」)】【b(= 10進数の「11」)】【c(= 10進数の「12」)】【d(= 10進数の「13」)】【e(= 10進数の「14」)】【f(= 10進数の「15」)】の全部で16個の文字で整数を表します。
S2AR の「色指定ブロック」は10進数で入力しますから、「16進数を10進数に変換」しなければなりません。

図1-6-7

図1-6-7を参照して、G の値【a5】を10進数に変換すると「165」になります。計算方法は、1桁目の 【5】はそのまま10進数の「5」に変換できます。2桁目の【a(= 10進数の「10」)】は16倍して10進数の「16 x 10 = 160」に変換できます。この2つを足して「165」に変換できました。
同じように、R の値【ff】を10進数に変換すると「255」になります。計算方法は、1桁目の 【f(= 10進数の「15」)】は10進数の「15」に変換できます。2桁目の【f(= 10進数の「15」)】は16倍して10進数の「16 x15 = 240」に変換できます。この2つを足して「255」に変換できました。
最後に、B の値【00】を10進数に変換すると「0」になります。計算方法は、1桁目の 【0】はそのまま10進数の「0」に変換できます。2桁目の【0)】は16倍して10進数の「16 x 0 = 0」に変換できます。この2つを足して「0」に変換できました。

図1-6-8

したがって、「オレンジ」のブロックを設置したいときは図1-6-8のように「r=255, g=165, b=0」と色を指定してやります。
(16進数は一見難しいですが、これも慣れです。プログラミングの必須の知識なので、頑張ってマスターしてください)

点ブロック

図1-6-9

X座標、Y座標、Z座標を指定して、ブロックを1つ設置します。このブロックは、すべてのクラフトの基本となるものです。X座標、Y座標、Z座標の数値を変化させて、たくさんのブロックを設置してみましょう。例えば(X, Y, Z)=(5, 10, 15)にブロックを設置してみます。

図1-6-10

図1-6-11

図1-6-11のプログラムを実行して、3次元直交座標系を表示させると、図1-6-10に示すように、X方向に「5」、Y方向に「10」、そして Z方向に「15」に進んだ位置にブロックが一つ設置できていることが確認できます。

なお座標値(X, Y, Z)については、-0.5 や 10.5 など小数点0.5単位で細かく指定できます。マインクラフトは整数値(-9, 0, 234 など)しか設置できないので、S2AR の方がより細かくクラフトが行えるのです。

直方体ブロック

図1-6-12

X座標、Y座標、Z座標、幅、奥行、高さを指定して、直方体(箱形)を設置します。

図1-6-13

例えば(X, Y, Z, 幅, 奥行, 高さ)=(2, 0, 2, 2, 3, 4)に直方体を設置してみました。奥行きが手前方向に伸びていることに注意が必要です。
ブロックのサイズ(幅、奥行、高さ)は 1 以上の整数で指定してください(マイナスや小数を指定するとエラー「Incorrect format」になり、ブロックを置くことができません)。

円柱ブロック

図1-6-14

X座標、Y座標、Z座標、半径、高さ、軸方向を指定して、円柱を設置します。軸方向は「x」「y」「z」のいずれかの値を取ります。円柱の半径については、1 以上の数値を 0.5 単位で指定してください。

軸方向について、以下に例を3つ示します。

図1-6-15

例えば(X, Y, Z, 半径、高さ、軸方向)=(0, 0, 0, 4, 10, y)に円柱を設置してみました。軸方向を「y」としたので、Y軸方向(上方向)に向かって円柱が伸びていきます。色は(0, 255, 0)の緑を指定しました。

図1-6-16

次に、軸方向を「x」にしてみます。

図1-6-17

(X, Y, Z, 半径、高さ、軸方向)=(0, 0, 0, 4, 10, x)に円柱を設置してみました。軸方向を「x」としたので、X軸方向(右方向)に向かって円柱が伸びていきます。色は(255, 0, 0)の赤を指定しました。

図1-6-18

最後に、軸方向を「z」にしてみます。

図1-6-19

(X, Y, Z, 半径、高さ、軸方向)=(0, 0, 0, 4, 10, z)に円柱を設置してみました。軸方向を「z」としたので、Z軸方向(奥行き方向=手前方向)に向かって円柱が伸びていきます。色は(0, 0, 255)の青を指定しました。

このように「軸方向は座標軸の伸びる方向と同じである」と覚えてください。

六角柱ブロック

図1-6-20

X座標、Y座標、Z座標、半径、高さ、軸方向を指定して、六角柱を設置します。円柱と同じように軸方向は「x」「y」「z」のいずれかの値を取ります。

図1-6-21

例えば(X, Y, Z, 半径、高さ、軸方向)=(10, 10, 10, 8, 10, y)に六角柱を設置してみました。軸方向を「y」としたので、Y軸方向(上方向)に向かって六角柱が伸びていきます。色は(0, 255, 0)の緑を指定しました。

円柱の場合と同じように、軸方向は「x」「z」の値を取ることも可能です。どのように設置されるか、自分で確かめてみてください。

球体ブロック

図1-6-22

X座標、Y座標、Z座標、半径を指定して、球体を設置します。

図1-6-23

例えば(X, Y, Z, 半径)=(8, 8, 8, 8,)に球体を設置してみました。簡単に球体を設置することができました。

文字ブロック

図1-6-24

S2AR のウリの一つが「空間に文字を書くことができる」ことです。X座標、Y座標、Z座標、文字、軸方向を指定して、文字を描きます。円柱と同じように軸方向は「x」「y」「z」のいずれかの値を取ります。

図1-6-25

例えば(X, Y, Z, 文字, 軸方向)=(0, 10, 0, A, z)に文字を描いてみました。文字のサイズは「7 x 7」のため、文字間隔を「8」、行間を「10」程度にすれば綺麗に文字を配置することができます。

図1-6-26

S2AR はアルファベットだけでなく、日本語の文字にも対応しています。空間に「漢字」を描いてみましょう。

図1-6-27

S2ARは、JIS第1・第2水準の漢字に対応しています。(X, Y, Z, 文字, 軸方向)=(0, 10, 0, 漢, z)、(X, Y, Z, 文字, 軸方向)=(8, 10, 0, 字, z)にして文字を描いてみました。ドットが荒いので少し読みにくいのですが、「漢字」を描くことができました。

約6,000文字の漢字のデータが内蔵していますから、ほとんどの場合、自分の名前を漢字で表示することができるはずです。挑戦してみましょう。(フォントは美咲フォント

」を利用させていただいています。ありがとうございます。)

文字ブロックに「日本語の文字(ひらがな、漢字)」を入力しずらい場合は、メモ帳などに入力してから一文字ずつコピペすると簡単です。文章を表示させる方法は第2部2章 空間に文字を書く

で詳しく説明しています。

線ブロック

図1-6-28

2つの点を指定して、その間に直線を引くことができます。始点(x1, y1, z1)、終点(x2, y2, z2)の6つの数値をしてしてやります。この節の最初の写真(5種類の正多面体)はこの線ブロックで作成されています。第2部3章 正多面体

で詳しく説明します。

図1-6-29

始点(0, 0, 0)から終点(10, 10, 10)まで線を引いてみました。線ブロックに慣れるため、始点と終点を変えながら、たくさんの線を引いてみてください。

屋根ブロック

図1-6-30

家を建築するために屋根を作るブロックです。(X, Y, Z, 幅, 奥行, 高さ, 軸方向)の7つの値を指定します。

図1-6-31

(X, Y, Z, 幅, 奥行, 高さ, 軸方向)=(0, 3, 0, 14, 7, 10, z)で、一般的な45度の屋根を建築してみました。図1-6-31のように、幅を偶数にしたときは最上段が2つのブロックになります。奇数の場合は最上段が1つのブロックになるのでやってみましょう。

消去ブロック

図1-6-32

S2AR バージョン2で追加された、設置されているブロックを消去するブロックです。(X, Y, Z)の3つの値を指定します。このブロックを活用するとプログラムを簡略化することができます。

図1-6-33

「直方体ブロック」で「3x3x3」の立方体を作り、「消去ブロック」で(X, Y, Z)=(0, 1, 0)でブロックを一つ消去してみました。こういった凹凸のある形状をプログラミングで作るのは大変なのです(プログラムは規則性のあるものを作るのが得意だから)。
ブロックを後から削除できる機能があると、プログラムを簡単にできます。図1-6-33の場合は「直方体ブロック」→「消去ブロック」の2段階で済みます。「繰り返し」も「条件式」も必要ありません。

縮尺ブロック

図1-6-34

S2AR バージョン2で追加された、ブロックサイズを変更するブロックです。拡大倍率を正の数(0.0.1 〜 100)で指定します。このブロックを活用すると、大きな形状の仮想オブジェクトを小さい倍率で表示したり、縮尺の違うブロックを同じ画面に表示したりできるようになります。

図1-6-35

縮尺を「1」「0.1」と変化させて、球を2つ作りました。座標の大きさも同じように伸び縮みしますから、位置合わせが難しいですが、うまく使えばモデリングの幅が広がります。

「3Dモデル作成」など、その他の機能については使い方が少々難しいので、第3部で一つずつ詳しく説明していきます。

以上で、「S2AR 拡張ブロック」の説明を終わります。これらのブロックを組み合わせて、複雑な仮想オブジェクトを作ることができます。次の章では、Scratch のプログラミングを学びながら、様々なクラフトに挑戦していきます。

原点(Origin)を置く

原点(Origin)を置く

S2AR で拡張現実をプログラミングするためには、操作の基準となる点(原点)を設定する必要があります。原点は、サイズが 「20 x 20 x 20」の座標軸の交点で表されます。

S2AR に現実世界を認識させる

図1-5-1

S2AR は iPhone のカメラを使って、現実世界を認識します。「ここに床があり、ここは壁で、ここにテーブルがある」など、現実世界の構造をカメラで撮影して ARKit に教えてあげなくてはならないのです。そのため、iPhone を前後左右にゆっくり傾けながら、S2AR の画面に青いグリッド(格子)で表される「X-Y 平面」現れるようにします。この平面が、ARKit で現実世界の床を認識した印です。

原点を設定する

図1-5-2

S2AR の画面上で「原点を置きたい場所」を指でタップすると、原点が設置できました。原点を置き直すときは、「原点を置きたい場所」を再度タップしてください。

S2AR の座標系

S2AR の座標系について説明します。「座標系」とは、空間の位置を正確に指定するために考えられた数学上の取り決めのことです。

図1-5-3

図1-5-3のプログラムを、ScratchX サイトの「スクリプトエリア」に置いてください。これが S2AR で初めてのプログラミングになります。詳しい説明は、次の章で行いますので、図をよく見て、同じようにブロックをつなげてみてください。「ブロックの色を変える」と「ブロックを置く」を4セットつなげます。
プログラムが完成したら、クリックして実行します。

図1-5-4

図1-5-4のように、S2AR 画面に4つの点が表示されます。

S2AR の座標系は、3次元直交座標系です(コラム 座標系について

を参照)。X 座標は赤(Red)、Y 座標は緑(Green)、Z 座標は青(Blue)で表現されています。白の点は(x, y, z)=(10, 12, 15)の位置に設置されています。赤い点は(x, y, z)=(10, 0, 0)の位置に設置されています(X 軸上)。緑の点は(x, y, z)=(0, 12, 0)の位置に設置されています(Y 軸上)。青い点は(x, y, z)=(0, 0, 15)の位置に設置されています(Z 軸上)。

図1-5-2のプログラムを改造してみましょう。x座標、y座標、z座標の数値を変えて、ブロックがどこに置かれるか実験してみてください。例えば、(x, y, z)=(1, 0, 10)、(x, y, z)=(-2, 12, 1)、(x, y, z)=(-3, 5, -5)など数値を変更して、ブロックがどの辺りに置かれるか、感覚として理解できるようになるまで繰り返してください。(「リセット」 ブロックを使うと、設置したブロックを全て消去することができます)

S2AR はこの座標を基準として、カラフルな立方体のブロックを置くことで、自由な形の「仮想オブジェクト」を現実世界に重ねて表示させることができるアプリなのです。

コラム 座標系について

空間上の点を正確に指定するには「3次元直交座標系」を使うと便利です。原点で交差する互いに直角な3本の直線で表される、もっともポピュラーな座標系です。

図1-5-5

点の位置を表すためには、X軸の値 a(Y-Z平面からの距離)、
Y軸の値 b(Z-X平面からの距離)、Z軸の値 c(X-Y平面からの距離)の3つの数値で表されます。
(この図は「右手系」の座標です。次のコラム参照)

座標系については難しいかもしれませんが、S2AR を使っていく中で少しずつ感覚として身についていきます。心配しないで作業を進めていきましょう。

次の章で、「S2AR 拡張ブロック」の詳しい説明を行います。

コラム 左手系の座標

図1-5-6

より高度な知識となりますが、3次元直交座標系には「右手系」と「左手系」があります。図1-5-6の左が「左手系」、右が「右手系」を表します。標準は「右手系」とされており、「マインクラフト」や後ほど出てくる「MagicaVoxel」などでも採用されています。S2AR も「右手系」を採用しています。(ただし高さ方向が Y軸のアプリ(「マインクラフト」「S2AR」など)と Z軸のアプリ(MagicaVoxelなど)があり、注意が必要です)
Unity など「左手系」のアプリもありますので、Z 座標の向きに注意しながらプログラミングを行ってください。(S2AR バージョン1は左手系でしたが、Xcode + Swift に開発環境が変わり、バージョン2から右手系に変更されました)

iPhone とパソコンを接続する

iPhone とパソコンを接続する

S2AR アプリで拡張現実をプログラミングするためには、iPhone と パソコンをつながなければなりません。その方法を詳しく説明していきます。

無線 LAN(Wi-Fi)接続する

最も一般的な方法は、家庭の Wi-Fi の同じ回線に、iPhone とパソコンを接続することです。回線速度が速ければ、安定した接続を持続できます。

iPhone が接続中の Wi-Fi 回線の調べ方

図1-4-1

iPhone のホーム画面より「設定」→「Wi-Fi」をタップすることで、現在接続中の Wi-Fi を調べられます。

パソコン が接続中の Wi-Fi 回線を調べる方法

図1-4-2

タスクトレイの「Wi-Fi」アイコンをクリックします。現在接続中の Wi-Fi 回線が表示されます。S2AR を使うためには iPhone とパソコンが同じ Wi-Fi回線に接続している必要があります。もし iPhone とは別の回線につながっている場合は、同じ回線名をクリックして接続し直してください。

S2AR の IP Address を入力する

図1-4-3

iPhone の S2AR アプリを起動します。画面の下に、S2AR アプリの接続用「ID」が表示されるので確認してください。図1-4-3を見ると、ID は「8675-6263」であることが表示されています。数字は毎回ランダムに変更されます。

図1-4-4 図1-4-4を参照してください。ScratchX サイトのカテゴリー「その他」を選びます。「スクリプトエリア」に「接続ブロック」を移動します。「接続ブロック」の入力欄に、 S2AR アプリの「接続用 ID」の数字「8675-6263」を入力します。「接続ブロック」をクリックして、S2AR とパソコンを接続するプログラムを実行します。

図1-4-5

S2AR アプリに「Connected(接続された)」と表示されたら、iPhone とパソコンの接続は完成です。これで拡張現実をプログラミングできるようになりました。

接続できないときは

図1-4-7

ブラウザの右上に「安全でないコンテンツがブロックされました」のアイコンが表示される場合があります。この表示は Chromeのセキュリティ強化により現れるようになりましたが、この本の手順にしたがっている限りにおいて、S2AR は安全なので、ブロックを解除してください。

図1-4-7のアイコンをクリックすると確認アラートが表示されます。「安全でないスクリプトを読み込む」をクリックします。Extnsion URL の入力からやり直すとことで、iPhone と接続できるようになります。

図1-4-6

それでも接続できないときは、まず S2AR アプリの再起動をしてみてください。それだけで接続できる場合が多いです。再起動の直後は比較的、接続しやすくなります。

iPhone のホームボタンを「ダブルクリック」してください。図1-4-6のように起動しているアプリがすべて表示されるので、S2AR を選んで、上(または横)にスワイプしてください。この操作で S2AR を終了させることができます。その後、 S2AR を再起動してみましょう。

ホームボタンがない iPhone の場合は、画面の下の横棒を中央付近まで引っ張ってくると、起動中のアプリが表示されるので、S2AR を選んで、上(または横)にスワイプしてください。

それでも接続できないときは、「接続用 ID の入力ミス」「同じ Wi-Fi に接続できていない」「Wi-Fi の電波が弱い」などの理由が考えられます。この章のはじめから、もう一度慎重に作業を進めてください。

Youtube のS2AR解説動画を公開中です。合わせてご参考にされてください。

(YouTube)

iPhoneとパソコンを接続する

「Wi -Fi 接続」以外の方法

iPhone とパソコンを接続する方法は、Wi-Fi だけではありません。お使いの iPhone がテザリングが可能であれば、以下の方法を使うこともできます。テザリングなら Wi-Fi 接続が使えない外出先でも S2AR を使うことができるようになります。(テザリングとは、スマートフォンを Wi-Fi ルーターのように使い、パソコン・ゲーム機等をインターネット接続できるようにする機能のことです。本書では「テザリングする方法」自体は説明しないので、ネット等で各自調べてください)

①USB テザリング

②Wi-Fi テザリング

③Bluetooth テザリング

いずれの方法でも、手順は「Wi-Fi 接続」の場合と共通です。パソコンで ScratchX サイトを開いて、Extension URL を入力します。S2AR アプリに表示される接続用 ID を「接続ブロック」に入力します。「接続ブロック」をクリックして実行します。S2AR に「Connected」と表示されたら成功です。

上記の3つの方法のうち 「①USB テザリング」は充電しながらアプリを使うことができ、接続が安定するなど利点があるのでおすすめです。

次の章では、仮想オブジェクトをクラフトするための基準となる「原点(Origin)」を設置する方法を学びます。

パソコンから ScratchX サイトを開く

パソコンから ScratchX サイトを開く

ScratchX とは

Scratch は、MIT(マサチューセッツ工科大学)が開発したビジュアルプログラミング言語です。子供を含めた初心者が視覚的にプログラミングを学習できることが特徴です。難しいコード(プログラミングの命令文)を覚えなくても、各種のブロックを重ね合わせるだけで、ゲームを含めたプログラムを感覚的に作ることが可能です。

ScratchXは、Scratch に自作ブロックを追加できる新機能(Extension)がついた Scratch の次期バージョン「3.0」の実験版です。ロゴの横に Beta(ベータ)と書かれていますが、「これが実験版です」という意味を持っています。

ScratchX サイトを開く

図1-3-1

パソコンを起動して、インターネットブラウザ(インターネットを閲覧するアプリ)を開いてください。
インターネットブラウザにはたくさんの種類がありますが、Google の「Chrome」ブラウザを推奨します。Windows と Mac で同じ操作が可能であり、更新が頻繁でセキュリティに優れるなどのメリットがあるからです。

お使いのパソコンに「Chrome」ブラウザがインストールされていないときは、次の URL より」ダウンロードしてインストールできます。

https://www.google.co.jp/chrome/index.html

図1-3-2

「Chrome」ブラウザを起動して、上の検索窓に「scratchx.org」と入力してください。「Enter(Windows)」または「Return(Mac)」キーを押してください。

図1-3-3

ScratchX サイトのトップページ(はじめに開かれるページ)が開かれました。「Chrome」ブラウザーの便利な機能で英語を日本語に自動で翻訳できるのですが、今回は英語のままで使用します。「翻訳しますか?」と聞かれたら「いいえ」を選んでください。

ScratchX サイトに「Extension URL」を入力する

図1-3-4

ScratchX サイトのトップページの「Open Extension URL」をクリックします。

図1-3-5

https://champierre.github.io/s2ar/extension/s2ar.js


入力欄に上記のコードを入力して、「Open」をクリックします。このアドレスに、拡張機能ファイル(s2ar.js)が置かれており、そのファイルを読み込むことで拡張機能が使えるようになるのです。

図1-3-6

Warning(警告)画面が現れます。ScratchX サイトから悪意のある URL に接続すると個人情報を盗まれるなどの危険があるため、「本当に接続してよいか?」の確認を求められるのです。S2AR サイトは安全のため、「I understand, continue(わかりました。続けます)」をクリックします。

図1-3-7

画面中央の「ブロックパレット」に S2AR 独自のブロックが表示されれば成功です。

次の章で、iPhone とパソコンをつなげると、S2AR が使用できるようになります。

S2AR アプリのインストール

S2AR アプリのインストール

まず初めに、 App Store から S2AR アプリをインストールします。iPhone ユーザーなら簡単だと思います。

アプリの検索

iPhone のホーム画面にある「App Store」のアイコンをタップして、App Store を開いてください。

図1-2-1

右下の「検索」をタップして、検索窓に「s2ar」と入力してください。検索結果から「入手」ボタンをタップすることで、アプリをインストールできます。

アプリの起動

図1-2-2

インストールが終わると、App Store の「開く」ボタンから、S2AR を起動できます。
あるいは、iPhone のホーム画面に現れた「S2AR」アプリのアイコンをタップして、起動することもできます。

図1-2-3

カメラへのアクセスが求められたら「許可」してください。S2AR の初期画面が表示されます。
中央下には S2AR とパソコンを接続するための ID(この例では、2750-0426)が表示されています。iPhone を上下左右に傾けると、青のグリッド(格子)で「X-Y 平面」が表示されます。左下の「Hide」ボタンを押すと、「X-Y 平面」と座標軸を見えなくすることができます(再び表示させたいときは「Show」ボタンを押す)。右下の「Help」ボタンを押すと、S2AR のヘルプ画面が表示されます。

これで、アプリのインストールと起動が完了しました。このアプリだけでは仮想オブジェクトを設置することはできないので、パソコンの Scratch と接続する必要があります。